生物機械工学研究室は、一貫して生物生命システムにおけるメカニクス、すなわちバイオメカニクス(biomechanics)の研究を行い、計算力学的方法、実験力学的手法および実現象の計測を統合した三位一体のプラットフォームを構築することにより、昆虫や鳥の飛行、水中生物の遊泳、ヒト心臓血管系などにおける複雑な生物流体現象、流体柔軟構造の連成現象、空力音響学、生物運動制御機構、バイオ熱現象、マルチスケール血行力学現象などの基本原理を総合的に探求している。 また、長い自然淘汰による進化で獲得された生物運動の多様性、最適性、ロバスト性を抽出し、生き物のもつ優れた形態や構造、機能やシステムなどを模倣(バイオミメティクス: biomimetics)、もしくは規範(バイオインスピレーション: bioinspiration)とする新しいテクノロジーとして、昆虫・鳥を規範とした超小型羽ばたき飛行ロボットや次世代ドローン、生物翼規範型小型風車や流体機械の研究開発も行なっている。 我々は、このB3(biomechanics, biomimetics, bioinspiration)ストラテジーを用い、て生物学と工学を橋渡すことにより、省エネルギー・省資源型モノづくりに基づく持続可能なIoT技術革新、すなわち生物規範工学(bioinspired engineering)の創出を目指している。