ガラス内銀析出
1. 研究背景
電圧印加を援用した固体イオン交換法により,ガラスの中に埋設された銀を析出させることができることが本研究室で発見されました.新たなガラス加工法となる本手法により,ガラス内配線,ガラス穴あけ加工など多岐にわたる社会実装が見込まれます. 一方で,銀析出のメカニズムはまだ十分に解明されておらず,形成される銀析出物の形状が予測・制御できないという課題があります.銀析出物形状を自在に制御することで,社会実装につなげることが目標です.
2. 実験方法
Step 1 銀イオン添加:アルカリ含有ガラスに銀箔を接触させ,銀箔側を陽極とした電圧を印加することで,ガラス内に銀イオン添加領域を形成します.
Step 2 銀析出:電圧印加方向を変え,銀イオン添加領域に電子を供給することで,銀イオンを還元させてガラス内に銀の析出物を形成します.
3. 研究中のテーマ
・ガラス内銀析出速度の定式化
・ガラス内部応力が銀析出形状に与える影響
・ガラス内部亀裂が銀析出現象に与える影響
・レーザ局所加熱を用いた銀析出形状の制御
・電圧スイッチングによる銀析出物の溶解現象
・多段階イオン添加を用いた銀高速拡散現象の解明
・銀添加ガラスの局所加熱による表面銀析出現象の解明
4. 今後の展望
任意形状の銀析出物をガラス内に形成可能とし,既存のガラス基板作製技術を超える高い物理的・化学的耐久性を持つガラスデバイスの実現を目指します.