Solid-Liquid-Solidメカニズムを利用したダイヤモンド表面に対する加工方法の開発-ダイヤモンドにおけるナノホール形成-
研究内容
工業的需要の高いダイヤモンドに対して,ナノオーダーの新たな微細加工方法を確立することを目標としています.
ダイヤモンドは様々な優れた物性値を有する素材ですが,その硬度や耐摩耗性故に微細加工方法が限られています.本研究ではA.Gorbunovによって提唱されたSolid-Liquid-Solidメカニズム(1(以下SLSメカニズム)というカーボンナノチューブの発生メカニズムを応用し,ダイヤモンドに適用していくことで,ダイヤモンドにおいてナノオーダーのグラファイトへの変質や穴家等の加工ができるのではないかと検討しています(Fig. 1).この方法によってダイヤモンドにナノオーダーの変質領域や穴を形成し,ナノ加工方法につなげていくことを目標としています.
報告されているSLSメカニズムやそれに近い現象は,ダイヤモンド基板上ではなく,アモルファスカーボン基盤上でNi,Fe触媒を核とした熱反応によって複数報告されています.そのためこれらの報告例の追従や,ダイヤモンド表面でも同様の反応が起こせるかということを検証しています.本研究は決まった実験装置,実験条件で実験を行うのではなく,どのような条件ならばダイヤモンド基盤でSLSメカニズムが発生させられるかを明らかにすることを目標として,日々実験を行っています.
1)A.Gorbunov:「Solid-liquid-solid growth mechanism of single-wall carbon nantubes」,Carobon 40 (2002)113-118



研究中のテーマ
- SLSメカニズム発生条件の解明
- 熱反応による金属触媒やダイヤモンド表面の形状変化 (Fig. 2,Fig. 3)
- ラマン分析によるダイヤモンドとグラファイトのピーク変化
- ウィスカ生成メカニズムの解明
担当者一覧 現在このテーマを担当しているメンバーの一覧です.