電圧印加を用いた固体イオン交換法 -硝子に咲け,銀の大樹-
研究内容
ガラス内部に金属の樹状結晶を形成する研究です.この樹状析出物は直径が約200nmであることが知られており,ガラスに埋没可能な電気伝導路としての応用が期待されています.
ガラスはその電気絶縁性から,エレクトロニクスの分野で利用されています.本研究では,金属析出物によってガラスに対して電気伝導性を付与する,新たな加工方法を検討しています.
金属箔とガラスを密着させ,箔から金属に向かって順方向の電圧を印加します.これによりガラスに金属イオンを添加することができます.次にこのガラスに対し,ガラスから箔に向かって先ほどとは逆方向の電圧を印加します.そうすると,ガラス内部で金属イオンと電子が還元反応を起こし,電場とは逆向きに金属の樹状結晶が成長します.なお,箔とガラスは高温・高真空下のチャンバーに設置されています.
ホウ珪酸ガラスを使用して析出可能な金属としては,銀と銅が確認されています.また金に関しては,ソーダ石灰ガラスを用いることで,金属析出ではないと考えられる現象を確認しています.


研究中のテーマ
- 析出物の多層構造化
- 金属イオン添加領域の形状制御
- 金属析出現象の解明
- 金属イオン添加に関する数値解析
- 金属析出物の形状制御
- 金流入現象の解明
担当者一覧 現在このテーマを担当しているメンバーの一覧です.
修士2年:吉岡 樹生
修士1年:加藤 優貴
学部4年:泉水 碧仁
学部4年:長谷坂 晴