時 期 |
研究課題 |
1982年3月-1984年12月 |
1.低炭素鋼の相変体の速度論に及ぼす加工熱処理の影響 |
1984年12月-1988年10月 |
1.合金元素の添加と炭化物の微細化による高速度鋼の強靭化
2.ベイナイト相変体の速度論および組織 |
1988年10月-1993年3月 |
1.実験および有限要素法モンテカルロシミュレーションを用いた金属基複合材料の強度信頼性に及ぼす母材の力学特性の影響に関する研究 |
1993年4月-1998年3月 |
1.金属複合材料の作製および実験と有限要素法モンテカルロシミュレーションを用いた金属基複合材料の強度信頼性に及ぼす界面特性、繊維体積率などの影響に関する研究
2.セラミックの単繊維と束の強度信頼性
3.反応焼結を用いた金属間化合物の作製およびその特性評価
4.金属基複合材料のアクチュエータの開発およびその特性評価
■「複合材料の強度信頼性及び機能特性に関する研究」
繊維強化金属基複合材料の強度信頼性についてSiC/Al複合材料を対象とし母材の強度,繊維体積率,残留応力,界面強度及び寸法効果等を影響要因として実験及び有限要素法を用いたモンテカルロシミュレーションによって研究を行った。これらの要因の影響機構を解明し,強度信頼性は破壊過程が密接に関係することを明らかにし,強度信頼性の向上に知見を得ている。また知的機能を有する材料としてSiC/Al複合材料をベースにした新型通電加熱アクチュエータの開発も行っている。
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1998年4月-現在 |
1. 高機能環境浄化光触媒の作製、特性評価および実用
2. 新規金属酸化物熱電材料の開発、特性評価およびそのディバイスの作製
■「熱電材料に関する研究」
ナノ化,複合化,メカニカルアロイ(MA),放電プラズマ焼結,還元処理などの手段を駆使して高温使用可能な高性能熱電材料・ディバイスを目指して,不定比酸化チタンTiO2-x熱電材料,Ti/TiO2-x,Cu/TiO2-x複合熱電材料,CuAlO2系熱電材料,
Cu/CuAlO2複合熱電材料,またNi1-xMxO系熱電材料について材料創製,特性評価,解析,およびその応用を行っている。 TiO2-xの不定比の調整,また複合効果(金属粉末の添加量,分散,粒径,複合添加等)によって相反する物性であるセーベック係数,抵抗率,および熱伝導率をそれぞれ調整できる要因・機構を解明しその作製プロセスを確立した。Ti/TiO2-x,Cu/TiO2-x複合熱電材料を作製して複合効果によって熱電特性を大きく向上させ,出力因子Pは,実用可能なレベル(約10×10-4Wm-1K-2)に達した。 また,有限要素法を用いた熱電特性解析のモデルを確立するとともに実験と比較検討を行っている。これらの成果は学術論文,研究発表,および特許出願によって公開している。また企業との共同研究によりその応用も展開している。
■「環境浄化光触媒材料に関する研究」
環境浄化光触媒材料として多孔質,薄膜状のTiO2複合光触媒を作製してその機能評価を行うと共に応用についても進めてきた。特に“機械工学”の視点からボールミルやポットミルでの機械的摩擦・磨耗を利用して,アルミナのボールやボタンなどの複雑形状の基材表面に簡便にTiO2光触媒の固定・薄膜化する技術としてメカニカルコーティング法を提案・開発した。作製したTiO2,TiO2/Ti複合光触媒薄膜は高い環境浄化機能を発現しており,その応用についても検討を進めている。また放電プラズマ焼結法による多孔質や複合型のTiO2光触媒の作製法を確立するとともに高機能化に成功している。開発した複合光触媒薄膜については環境浄化に関する実用化を進めている。さらには,可視光化応答型光触媒(照明用蛍光灯の照射による機能発現)の創製に成功した。これらの成果は学術論文,研究発表,および特許出願によって公開している。また平成21年5月1日付日経産業新聞に「千葉大 光触媒球・円柱にも成膜」という題目で開発したメカニカルコーティング法と複合光触媒が取上げられ,その成果は,千葉県の研究所および企業との共同研究により,環境浄化への実用化検討が進められている。また光触媒の応用として,中国の大学との共同研究により貴重生薬種の発芽率向上にも成功している。
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■図にしたこれまでの研究 |